近年開発現場ではバージョン管理ツールとしてGitを使う機会が増えています。
GitにはGitHubやBitbucketなどのホスティングサービスもありますが、ソースコードを外部に出せない理由がある、または、プロジェクトをレンタルサーバーにクローンして使いたいなどの理由で、Gitに対応したレンタルサーバーを探しているケースも少なからず見受けられます。
この記事では、特に個人や少人数のチームで作業している人を対象にGitを利用できるレンタルサーバーについて解説します。
Git環境を構築するならどれを選ぶ?
Git環境は共用サーバーや専用サーバー、VPS(Virtual Private Server)などを使って構築することができます。
個人や少人数のチームではコストの関係で共用サーバーやVPSを利用するケースが多いので、それぞれについて特徴をまとめます。
少人数かつCUIだけなら共有サーバーがおすすめ
少人数で簡単なソースコードを管理したり、プロジェクトをデプロイするのにGitを使う程度であれば、共用サーバーを使うのがおすすめです。
有料のGitHubやBitBucketとは異なりソースコードはサーバー内で管理されます。サーバー内にリポジトリを作成すると、ローカル環境にソースコードをクローンすることができるほか、サーバー上にGitHubやBitBucketからPullしてくることもできます。
共用サーバー最大のメリットは運用コストが低い点です。 例えば個人向けの定番サーバー「さくらのレンタルサーバー」を例に挙げると、SSHが利用できるスタンダードプランが月額396円とお小遣い程度の価格で利用できます。
また専用サーバーやVPSを使う場合は、サーバーの運用にある程度のスキルが必要ですが、共用サーバーはサービス提供会社に運用の大部分を委託しているため、サーバー操作になれていない初心者でも安心して利用することができます。
中~大人数GUIが必要ならVPSがおすすめ
ある程度の人数で作業をしたい、GitHubを利用したいがコストは抑えたい、Gitと連携してソースコードのビルドまで自動でおこないたいという人は、無償で使える GitLab Community Edition (GitLab CE) が便利です。
GitLabはGitHubにインスパイアされて作られているため基本的な機能はGiHubと変わりません。GUIも備えているため、Merge Request(GitHubでいうPull Request)を使った運用・承認フローも実現することができます。
VPSは別名仮想専用サーバーと呼ばれており、共用サーバーと同じように1台のサーバーを複数の契約者がシェアしているものの、仮想的な専用OSが割り当てられているため、自由にカスタマイズして使うことができます。
また、メモリやCPUは各ユーザーごとに割り当てが決まっているため、共用サーバーと比べて他ユーザーからの影響を受けにくいのが特徴です。 GitLabを使いたい場合はぜひVPSを選ぶようにしましょう。
Git動作可!おすすめレンタルサーバー
Gitの動作確認が取れているレンタルサーバーを紹介します。Gitを使うにあたり料金とディスク容量、データ転送量にも注目してください。
特にデータ転送量が足りないとGitを操作するのにストレスを感じることにもなりかねないため、十分余裕をもったサイズにしておく必要があります。
共用サーバー
個人や少人数で開発するのに向いている共有サーバーは以下のとおりです。
さくらのレンタルサーバー
プラン詳細 | ライト | スタンダード | プレミアム | ビジネス | ビジネスプロ | マネージド サーバ (専有) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
費用 | |||||||
初期費用 (+税) | 953円 | 4,762円 | 45,000円 〜 | ||||
月額料金 (+税) | 119円 ~ | 396円 ~ | 1,190円 ~ | 1,984円 ~ | 3,571円 ~ | 11,000円 ~ | |
無料お試し期間 | 14日間 | ||||||
機能・性能 | |||||||
ディスク容量 | SSD | - | 360GB | ||||
HDD | 10GB | 100GB | 200GB | 300GB | 500GB | 700GB | |
1日の転送量 | 40GB | 80GB | 120GB | 160GB | 200GB | 200GB | |
データベース | MySQL | × | 20個 | 50個 | 100個 | 無制限 | |
マルチドメイン | 20個 | 20個 | 30個 | 40個 | 40個 | 無制限 |
さくらインターネット株式会社が1996年にホスティングサービス事業を開始した老舗レンタルサーバーが「さくらのレンタルサーバー」です。
豊富な料金プランが用意されており、初心者からビジネスユーザーまで幅広く利用できるのが特徴です。
2019年現在Gitが標準でインストールされており、またインターネットで得られる情報量も豊富です。 ただし、Git環境を構築するのに必要なSSH接続は、一番下のライトプランでは対応しておらず、スタンダードプラン以上を契約する必要があるため注意が必要です。
-
さくらのレンタルサーバー
おすすめ度 80% さくらのレンタルサーバーは老舗のさくらインターネット株式会社が運営しているレンタルサーバーサービスです。 ひと月119円から使える共用サーバーから貸切型の専用サーバーまでの幅広いプ ...
続きを見る
CPIレンタルサーバー
プラン詳細 | シェアードプラン SV-Basic | |
---|---|---|
費用 | ||
初期費用 (+税) | 0円 ※12ヶ月契約以外は 20,000円 | |
月額料金 (+税) | 3,800円 ~ | |
無料お試し期間 | 10日間 | |
機能・性能 | ||
ディスク容量 | HDD | ウェブ100GB / メール200GB (1ドメイン) |
1ヶ月の転送量 | 無制限 | |
データベース | MySQL | 5個 |
マルチドメイン | 10個 |
ビジネスユーザーに人気のある「CPIレンタルサーバー」は、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが運営するレンタルサーバーです。
月額料金は3,800円で他社と比べ高額ですが、ディスクサイズ・転送量はすべて使い放題です。 過去にGit機能の強化が行われており、PHPやPerlなどのスクリプトからGitコマンドを実行できるようになっています。
外部のGitリポジトリと自動連携できるようになるなど、利便性が高いのも特徴のひとつです。
-
CPIレンタルサーバー
おすすめ度 80% CPIレンタルサーバーは、株式会社KDDIウェブコミュニケーションズが運営しているレンタルサーバーサービスで、自動バックアップ標準搭載、テストサーバー、品質保証制度(SLA)ありと ...
続きを見る
XSERVER(エックスサーバー)
プラン詳細 | X10 | X20 | X30 | |
---|---|---|---|---|
費用 | ||||
初期費用 (+税) | 3,000円 | |||
月額料金 (+税) | 900円 ~ | 1,800円 ~ | 3,600円 ~ | |
無料お試し期間 | 10日間 | |||
機能・性能 | ||||
ディスク容量 | SSD RAID10 | 200GB | 300GB | 400GB |
1日の転送量 | 70GB | 90GB | 100GB | |
データベース | MySQL | 50個 | 70個 | 70個 |
マルチドメイン | 無制限 |
エックスサーバー株式会社が運営する「XSERVER(エックスサーバー)」は、ビジネスに限らず個人利用にもオススメのレンタルサーバーです。
ディスクスペースは200GBからのオールSSD、HTTP/2・FastCGIに対応しており、Webサイト用のサーバーとして定番の地位を得ています。
また、総計1.39Tbpsの大容量バックボーンにより、データのやり取りもスムーズです。
-
エックスサーバー
おすすめ度 100% 評価: 5.0(1件のレビュー) エックスサーバーは、エックスサーバー株式会社が2004年から運営している高機能、高品質なレンタルサーバーです。 月額900円からと低価格ながら、 ...
続きを見る
VPS(仮想専用サーバー)
個人・少人数で開発するのに向いているVPSは以下のとおりです。
ConoHa VPS
プラン詳細 | 512 | 1G | 2G | 4G | 8G | 16G | 32G | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
費用 | ||||||||
初期費用 (+税) | 1,000円 | 1,500円 | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 | 16,000円 | 32,000円 | |
月額料金 (+税) | 582円 ~ | 825円 ~ | 1,448円 ~ | 3,300円 ~ | 6,600円 ~ | 13,200円 ~ | 25,666円 ~ | |
無料お試し期間 | 14日間 | |||||||
機能・性能 | ||||||||
CPU | 仮想1コア | 仮想2コア | 仮想3コア | 仮想4コア | 仮想6コア | 仮想8コア | 仮想10コア | |
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | |
ディスク容量 | SSD | 20GB | 30GB | 50GB | 100GB | 200GB | 400GB | 800GB |
HDD | - | 100GB | 200GB | 400GB | 800GB | 1.6TB | - | |
1ヶ月の転送量 | 無制限 | |||||||
開発環境 | ||||||||
OS | CentOS 6 / Cnet OS 7 / Ubuntu 14.04など |
ConoHa VPSはクラウドベースのVPSで初期費用が無料、かつ、最低利用期間なしで月の途中でも解約できるという手軽さが売りです。
プランのスケールアップ・ダウンにも対応しており、また学割が効くため学生の勉強用途としてGitを利用する場合にも最適です。
使った分だけ料金が発生する仕組みなため、開発で一時的に使いたいという場合にもおすすめです。
-
ConoHa VPS
おすすめ度 90% ConoHa VPSは、お名前.com等で有名なGMOインターネット株式会社のVPS(仮想専用サーバー)です。 お名前.com レンタルサーバーなどサーバー運用に定評がある同社です ...
続きを見る
さくらのVPS
プラン詳細 | 512 | 1G | 2G | 4G | 8G | 16G | 32G | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
費用 | ||||||||
初期費用 (+税) | 1,000円 | 1,500円 | 2,000円 | 4,000円 | 8,000円 | 16,000円 | 32,000円 | |
月額料金 (+税) | 582円 ~ | 825円 ~ | 1,448円 ~ | 3,300円 ~ | 6,600円 ~ | 13,200円 ~ | 25,666円 ~ | |
無料お試し期間 | 14日間 | |||||||
機能・性能 | ||||||||
CPU | 仮想1コア | 仮想2コア | 仮想3コア | 仮想4コア | 仮想6コア | 仮想8コア | 仮想10コア | |
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | |
ディスク容量 | SSD | 20GB | 30GB | 50GB | 100GB | 200GB | 400GB | 800GB |
HDD | - | 100GB | 200GB | 400GB | 800GB | 1.6TB | - | |
1ヶ月の転送量 | 無制限 | |||||||
開発環境 | ||||||||
OS | CentOS 6 / Cnet OS 7 / Ubuntu 14.04など |
さくらインターネット株式会社が運営している超定番のVPSです。
CentOS、Ubuntu、Debian、Fedoraなど一通りのLinuxディストリビューションが揃っており、Git環境を単独で構築するのみならず、CIツールと連携するのにも適しています。
2週間の無料お試し期間もあるため、まず試してみたいという人はさくらのVPSを検討してみるとよいでしょう。
-
さくらのVPS
おすすめ度 100% さくらのVPSは、さくらインターネット株式会社が運営しているVPSサーバーです。 月額582円という個人でも借りやすい手頃な料金設定ながら、CentOS、Ubuntu、FreeB ...
続きを見る