メール専用レンタルサーバーはどう選ぶ?おすすめサーバー3つを比較

2019年5月7日

ribkhan / Pixabay

企業などの法人で独自ドメインを使ったメールアドレスを運用する場合、「メールサーバー」を導入すると便利です。

この記事では、中小企業や商店など仕事用のメールアドレスが必要な法人ユーザーを対象に、メールサーバーの機能や選び方について解説します。

メール機能に特化したおすすめのレンタルサーバーを紹介しますので、あわせて参考にしてください。

法人に求められるメールサーバーの機能とメリット

メールサービスの運用をはじめる前に、法人に求められるメールサーバーの機能とそれぞれのメリットについて理解しておきましょう。

メールサービスは、レンタルサーバーや専用のメールサーバーで実現することができます。

メールサーバーを利用すると、単純にメールの送受信ができるだけでなく、例えば「メーリングリスト」を作成して複数の宛先に同じメールを送信したり、あらかじめ決まった定型文を送信者に「自動返信」したりといった便利な使い方ができます。

以下に代表的なメールサービスの機能を表形式でまとめました。下表で紹介する機能については、法人向けのレンタルサーバーやメールサーバーであれば基本的に利用できます。

機能名 説明
Webメール メール専用ソフトがなくても、Webブラウザ上でメールの閲覧・送受信がおこなえるサービス
メールアカウント作成 ユーザーごとにメールアカウント(メールを使用するための利用権)が作成できる
メールボックス 受信したメールを保存しておくためのメールボックスが利用できる(※容量は各サービスごとに異なる)
マルチドメイン(独自ドメイン) 複数の独自ドメインを持つことができる(※一例として、KAGOYAでは1ドメイン無料、追加ドメインは月額500円/1個)
自動返信 あらかじめ用意した定型文のメールを、不在時に自動返信する機能
メール転送 特定のメールアドレス宛にメールを転送する機能
メーリングリスト 特定のグループ宛に一斉にメールを送信することができる
メールアーカイブ 送受信メールを専用のディスクで管理し、必要に応じて閲覧できる機能
暗号化通信 メール本文・添付ファイルを暗号化し、クライアントとセキュアな通信をおこなう
誤送信防止機能 送信時に、送信者・第三者による内容チェックをおこなうことで誤送信を防ぐ機能。添付ファイルは自動暗号化に対応する
スパムフィルタ 広告などの迷惑メールを検出し、自動で削除・移動させる機能
ウィルスチェック メールを受信する前にウイルスチェックをおこない感染を防ぐ

メール機能の中でも、「メールアカウント作成」と「マルチドメイン」に関しては「無制限」となっているところがほとんどです。また「メールボックス」の容量については各社、各プランで様々です。(※一例として、CPIサーバーでは無制限、エックスサーバーでは最大5GBまで)

なお、メールサービスにはウィルスチェックやスパムフィルタなど、セキュリティに対応した機能が搭載されている点もポイントです。

メール専用サーバーをレンタルするメリットは?

メールサービスを導入する手段として、「Web機能付きのレンタルサーバー」でメールサーバーを構築する方法と、「メール専用サーバー」をレンタルする方法の2つがあります。

なかには「独自ドメインのメールアドレスさえ利用できればWeb機能は必要ない」と考える人もいるかと思います。

そのような場合、おすすめなのは「メール専用サーバー」をレンタルすることです。

Web機能付きのレンタルサーバーと比較して数は多くありませんが、メール専用サーバーを扱うホスティングサービスも存在します。

おすすめのメール専用サーバーについては本記事の最後で紹介するとして、この項目ではメール専用サーバーをレンタルする「メリット」について解説します。

基本的にWeb機能付きのレンタルサーバーと同じようにメールの送受信機能に対応していますが、それに加えてどのようなメリットがあるのか確認しましょう。

ランニングコストを抑えることができる

Web機能付きのレンタルサーバーに対して、メールサービスだけを利用するため、ランニングコストを抑えることができます。

KAGOYA(カゴヤ)のレンタルサーバーを例に料金を紹介すると、共用レンタルサーバーの低スペックプラン「S11」の月額料金が1,000円なのに対し、メールサーバーの月額料金は432円からとなっているため、半額以下の料金でメールサービスを利用することができます。

ビジネス環境でより使いやすいWebメールソフトが利用できる

レンタルサーバーでは、基本的にサードパーティ製のメールソフトを利用しているか、もしくはそれを自社でカスタマイズしたものが使われています。

なかでもKAGOYAやWADAXのメールサーバーで採用されている「Active!mail」は、ビジネスユーザーから高い支持を得ているWebメールソフトです。

すでに他社のWeb機能付きレンタルサーバーを利用している場合であっても、Active!mailが実装されているKAGOYAのメール専用サーバーを追加でレンタルするといった使い方もおすすめです。

Active!mailの特徴

  • ブラウザ上で動作するため専用ソフトが不要
  • メールデータはActive!mainのサーバー内に保存されるため情報漏洩を防ぐ
  • クライアント更新時やトラブルがあった場合でもメールデータの喪失・移行が不要
  • ビジネス環境で使いやすい機能が充実

上記特徴のうち、「ビジネス環境で使いやすい機能が充実」について、実際にどんな機能が利用できるのか紹介します。

  • 開封確認通知
  • 署名管理
  • 階層化された住所録やフォルダー
  • メールの自動振り分け
  • フィルタリング転送
  • 定型文やマクロ機能
  • メールテンプレート機能

こういったビジネスユーザーが利用する上で、便利な機能が用意されているのがActive!mailの特徴です。

法人向けに求められるメールサーバーのセキュリティ

近年Webメールを悪用したセキュリティリスクは増加しています。

代表的なセキュリティリスクは以下の通りです。

  • フィッシング詐欺
  • スパムメール
  • なりすまし
  • マルウェア
  • 改ざん

このようなサイバー攻撃から企業の情報資産を守るため、メールサービスのセキュリティ対策が必須です。

特に「ウイルスチェック」と「メールフィルタ」は業務上なくてはならないメールサービスの機能となっています。

メールセキュリティが十分でないと、例えば顧客情報の漏洩や内容の改ざん、パソコンの異常動作といったリスクが高まります。

メール機能に特化した法人向けメールサーバーを3つ紹介

これからメールサービスを運用するビジネスユーザー向けに、メール機能に特化したおすすめのメールサーバーを3つ紹介します。

すべてのサービスでウイルスチェック、メールフィルタを標準搭載しておりセキュリティ面でも安心できるサーバーです。

WebARENA(メールホスティング)

初期費用 (+税)月額料金 (+税)種類無料お試し期間
5,000円7,600円 ~共用サーバー2ヶ月間
ディスク容量最大ID数マルチサイトセキュリティ機能
60GB ~200ID ~21個

NTTPCコミュニケーションズが提供するレンタルサーバー「WebARENA」のメール専用サーバーです。

サーバーにトラブルがあった場合でも冗長構成を採用しているため、別サーバーが継続して処理をおこないます。

標準的なメール機能をはじめ、ウイルスチェックや迷惑メールフィルターも搭載されており、高い稼働率・利便性・セキュリティともに安心して利用できるメールサーバーです。

また、万一トラブルがあった場合でも、24時間365日専門スタッフによるサポートが受けられる点も大きなメリットです。

利用料金は初期費用が5,000円で、月額利用料は60GBのディスク容量で月額7,600円からとなっています。

KAGOYA メールサーバー

初期費用 (+税)月額料金 (+税)種類無料お試し期間
無料432円 ~共用サーバー/専用サーバーなし
ディスク容量最大ID数マルチサイトセキュリティ機能
20GB ~無制限1個 ~

レンタルサーバーで有名なカゴヤジャパン株式会社が提供しているメール専用サーバーです。

ビジネス環境で使いやすい「Active!Mail」が最大50アカウントまで追加料金無料で使用できます。

誤送信防止、ウイルスチェック、スパム対策も実装しておりセキュリティ面も安心です。

なお、メール専用サーバーのプランには、「共用タイプ」と「専用タイプ」があり、目的によって選択できる点も便利です。

利用料金はメールプラン共用タイプで月額432円からとなります。

アルファメール

初期費用 (+税)月額料金 (+税)種類無料お試し期間
5,000円1,400円 ~共用サーバー14日間
ディスク容量最大ID数マルチサイトセキュリティ機能
20GB ~10ID ~100個 ~(※アルファメールプレミア)

大塚商会が提供するレンタルサーバーがアルファメールです。

こちらはメール専用サーバーではなく、Web機能・ドメインが1つのセットになったサービスです。

99,999%の高いサーバー稼働率、24時間365日の有人監視、土日祝日も対応のサポートセンターなど、ビジネスユーザーに適したレンタルサーバーです。

メールサービスは、Webメール、ウイルスチェック、迷惑メールフィルタ、グループアカウント作成が標準搭載されており、初めて借りる人でも利用しやすいのが特徴です。(※アルファメールプレミア)

なお、オプションとしてメール誤送信対策、ニュースメール配信なども用意されており、必要に応じて追加することができます。

利用料金は初期費用5,000円、月額料金はアルファメール2コンパクトが1,400円からとなります。

メールサーバーについてのポイントまとめ

メールサービスを利用する際のポイントをもう一度整理すると以下のとおりです。

  • メールサービスの必要機能を確認する
  • メールサーバーには「Web機能付き」と「メール専用サーバー」がある
  • メールサーバーのセキュリティの重要性を知る

今回はビジネスユーザー向けにおすすめのレンタルサーバーを紹介しましたが、当然個人ユーザーでも利用することができます。これからメールサービスの導入を検討している人はぜひ参考にしてください。

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