性能のよいサーバーに乗り換えたい、カスタマイズ性の高いサーバーに乗り換えたい、などさまざまな理由から、サーバーの引っ越しを検討することもあるかと思います。
ビジネス用途でサーバーを運用している場合、サーバーにトラブルが発生したり、サーバーが止まってしまうことは機会損失につながるため、手順を考えて慎重に引っ越さなければなりません。
この記事では、サーバーの移転・移行において検討すべき項目や手順について解説します。
また、もし社内にITの専門家がいない場合はレンタルサーバー各社が提供している「サーバー移転代行サービス」を利用する方法もおすすめです。
記事の最後にサーバー移転代行サービスを提供しているおすすめのレンタルサーバーをいくつか紹介しますので、引っ越しを検討する際の参考にしてください。
サーバーの移転・移行に伴う検討項目を確認する
まずはサーバーの引っ越しに伴う検討項目を確認します。
以下の項目については、移転・移行作業をおこなう前に検討しなければいけません。
- コンテンツ等のデータ移行
- ドメイン移管
- 新旧サーバーの切り替えタイミング
各項目の詳細を解説します。
コンテンツ等のデータ移行
Webサイトには多くのバナーや画像が使用されているほか、環境によってはグループウェアなどのアプリケーションソフト、MySQLといったデータベースも使用されています。
サーバーを引っ越しする際は、これらのデータを引っ越し先のサーバーに確実に移行しなければいけません。
とはいえ、移転・移行先のレンタルサーバーによって料金やサービス内容が異なるため、まずは引っ越し先のサーバーの特徴をよく理解しておく必要があります。
具体的には、膨大なデータ量でも完全に移行できるのか、その場合料金はいくらになるのかといったことは事前に知っておきたい内容です。
ドメイン移管
独自に取得したドメイン(Web・メール)を引っ越し先のレンタルサーバーでも引き続き使いたいという場合は「ドメインの移管」の手続きが必要です。
そのためには、ドメインを取得したサービスで、DNSサーバーの内容を引っ越し先の情報へ切り替える必要があります。
新サーバーで改めてドメインを取得したい場合、エックスサーバーのようにドメインの新規申込みが可能なレンタルサーバーもあるのでこちらを利用するとよいでしょう。
新旧サーバーの切り替えタイミング
引っ越し先のレンタルサーバーへの申込みが完了した時点で、旧サーバーを解約してもよいのか?
こういった疑問を持つ人もいますが、結論から言うとしばらくの間は新旧の各サーバーは併用してください。
というのも「DNSの浸透問題」があるからです。
ドメイン移管をおこなう上で、旧サーバーから新サーバーへDNSの切り替え作業が必要となりますが、切替え後すぐにDNSサーバーの情報がインターネット上に浸透するわけではありません。(※浸透期間は1~2週間)
DNSの浸透期間中は、新旧どちらのサーバーにユーザーからのアクセスが接続されるかの予測がつかないため、サーバーの併用期間が必要となります。
新しいDNSサーバーだけしか運用していない状況だと、ホームページが表示されない、メールが届かないといった問題が起きる可能性があります。
以下の画像はCPIレンタルサーバーの新旧併用期間を表したものです。
引用:他社サーバーからの移転マニュアル - CPI
旧サーバーの解約は、移転作業完了のお知らせを新サーバーから知らされた時点でおこなうのがベストです。
サーバー移転・移行の具体的な手順
サーバー引っ越しの具体的な流れを、ビジネスユーザーからの支持が高い「CPIレンタルサーバー」を例に解説します。
- 事前確認(契約情報・移転項目・スケジュールなど)
- CPIへ申し込み
- CPIサーバーの環境構築(データ移行、ドメイン移管、FTPアカウント作成など)
- DNSの切り替え
- 旧サーバーの解約
以上の流れとなりますが、クライアントによってはデータのみ移行し、ドメインは移管しないといった場合や、メールドメインはそのままで、Webドメインだけ移管したいといったケースも考えられます。
CPIレンタルサーバーではこういった悩みに対して柔軟に対応してくれるので便利です。
サーバー移転代行サービスの特徴
「サーバーの引っ越し作業を自分達だけで行いたい」と考える人もいると思いますが、移転・移行作業は簡単なものではありません。
特にWebサーバーの知識がない人にとっては作業が難しい上、移転・移行に失敗するとサイトがうまく表示されなくなるといったリスクもあります。
そこでおすすめするのが、「サーバー移転代行サービス」を利用することです。
Webサイトを構成する大切なデータファイルを専門スタッフがあなたの代わりにアップロードしてくれたり、分かりにくいドメイン移管を代行してくれたりします。
そのため、自分達の手間もかからない上、より安全にサーバーを移行することができます。
サーバー移転代行サービスの主な作業内容は以下の通りです。
- 新サーバーへのデータアップロード
- ホームページの表示および動作確認
- メールアドレスの設定
- DNSサーバーの変更
サーバー移転代行サービスに対応したビジネス向けサーバーを3つ紹介!
多くのレンタルサーバーでサーバー移転代行サービスを実施しています。今回はその中でも、ビジネスユーザー向けにおすすめのレンタルサーバーを3つ紹介します。
CPIレンタルサーバー
KDDIウェブコミュニケーションズが運営している、ビジネスユーザーに人気のレンタルサーバーが「CPI」です。
ディスク容量、データベース、マルチドメイン、メールアドレスが無制限に利用できるほか、自動バックアップ、稼働率100%保証のSLAにも対応しています。
「サーバー移転代行サービス」では、Web、データベース、ドメインをまるごと移転してくれるほかに、必要な項目だけを指定するなど、柔軟に対応してくれる点が便利です。
CMSインストール | 有料 |
ウェブコンテンツの移行 | 無料 |
ドメイン移管 | 有料(~3,000円) |
メールアドレスの作成 | 無料 |
※すべてのデータをまるごと代行する「データ移行支援サービス」は、ウェブサイト(1 サイト)+ データベース(1DB)で258,000 円~です
KAGOYA専用サーバー
カゴヤジャパン株式会社が提供するレンタルサーバーが「KAGOYA」です。
大容量のネットワーク回線、高いセキュリティ、稼働率99.999%とビジネス目的で使いやすいレンタルサーバーです。
トラブルがあった場合でも、専任のスタッフが365日迅速に対応してくれるため、サーバー運用に慣れない個人ユーザーにもおすすめできます。
KAGOYAの「サーバー移行支援サービス」では、マネージド専用サーバーとKAGOYA 専用サーバー FLEXを対象に、Webサーバー、データベースサーバーのデータ移行はもちろん、グループウェアや社内システム移行・Windowsサーバーの移行まで対応しています。
CMSインストール | ※要相談(相談・見積もり無料) |
ウェブコンテンツの移行 | 〃 |
ドメイン移管 | 〃 |
メールアドレスの作成 | 〃 |
エックスサーバービジネス
「エックスサーバービジネス」は、法人・企業といったビジネス利用を目的としたエックスサーバーです。
Webやデータベースの自動バックアップ機能を標準で搭載しているほか、マルチドメイン、FTPアカウント、メールアカウントを無制限に利用することができます。
また、WAFやネットワークの脆弱性を定期的に診断するセコムセキュリティも導入しており、セキュリティ面においてもビジネス用途に最適化されています。
エックスサーバービジネスの最大の魅力ともいえるのが「設定代行サービス」です。サーバーアカウントごとに1回までですが、旧サーバーからエックスサーバーへの移転作業を専門スタッフが無償で対応してくれます。
CMSインストール | 無料 |
データ移行 | 無料 |
ドメイン移管 | 無料 |
メールアドレスの作成 | 無料 |
※サーバーアカウントごとに初回のみ無料、2回目から有料(15,000円・税別)
サーバー移転・移行についてのポイントまとめ
最後にもう一度サーバー移転・移行についてのポイントをまとめておきます。
- サーバー移転・移行の前には検討項目を確認する
- 新旧サーバーの併用期間が必要(DNS浸透問題)
- サーバー移転代行サービスを利用する
以上の点をおさえて安全・確実にサーバーを乗り換えてください。