IISとASP.NETは、Microsoft社が開発・提供しているWebアプリケーションのためのフレームワークとその実行環境です。
ASP.NETは.Net Frameworkを基盤としており、これまでWebアプリケーションを構築するために必須であったHTMLやHTTP通信、サーバーとブラウザ間でのデータのやり取りを抽象化することで、データベースと連携した動的なページ生成や、アカウント管理・ログインなどの複雑な認証機能を、一般的なWindowsアプリケーションと同じような感覚で開発することができます。
本記事では、個人から中小規模の企業までを主な対象に、IIS・ASP.NETを利用出来るレンタルサーバーとその特徴について紹介します。
IIS・ASP.NETの利用にはWindows Serverが欠かせない
IISとASP.NETはMicrosoft社のフレームワークということもあり、基本的にはMicrosft社のWindows Serverという専用OSをインストールしたサーバーが必要です。
Windows ServerはMicrosoft社のサーバー向けOSの製品名で、LinuxやUnixなど同等の機能をもつサーバー向けのOSと比較し、特にWindowsを前提とした企業内のイントラネットや情報システムなどを構築するのに優れています。
ASP.NETは.Net Frameworkに依存しており、またWebサーバーソフトとしてIIS(Internet Information Services)を利用する必要があるため、ほとんどの場合Widows Server環境で利用することになります。
Windows10などのクライアント版OSでもASP.NETを扱うことができますが、同時接続数などに制限があるため、開発用途に限って使用できるようなものになります
なお、ASP.NETにはMVCなどいくつかのバリエーションとバージョンがあります。
.Net FrameworkのバージョンとIISのバージョンにより、サポートする機能の有無が異なりますので、サーバーを用意する前に、どのような環境を使いたいかしっかり整理しておくと良いでしょう。
ASP.NETに対応したレンタルサーバーの選び方は2つ
「ロリポップ!」や「エックスサーバー」など、一般的なWebサイトで使われているレンタルサーバーのほとんどはLinuxと呼ばれるOSを使っているため、ASP.NETには対応していません。
ASP.NETを利用するには、Windows Serverを搭載した専用のレンタルサーバーを利用するか、VPSやクラウドサーバーを借りて自分で環境を構築する必要があります。
Windows Serverに対応したレンタルサーバーを選ぶ際に、特に気にしておきたい点を以下に挙げます。
Windows Serverのバージョンをチェックする
クライアント版のWindowsと同様にWindows Serverにもいくつかのバージョンがあります。
- Windows Server 2008R2・・・Windows7ベース
- Windows Server 2012・・・Windows8ベース
- Windows Server 2012R2・・・Windows8.1ベース
- Windows Server 2016・・・Windows10相当のサーバー版OS
- Windows Server 2019・・・2019年現在で最新のサーバーOS
Windows Serverのバージョンにより使用できる.Net Framework、IIS、SQL Serverのバージョンも異なるため、使いたいバージョンがサポートされているか事前にしっかり確認しておく必要があります。
また、利用するレンタルサーバーによっては、自身でWindows Serverのライセンスを用意しなければならない場合があります。
用意したライセンスのWindows Serverがレンタルサーバー側で対応していないと無駄になるため、こちらも事前に確認しておく必要があります。
ディスク容量が必要十分かチェックする
Windows Serverに対応したレンタルサーバーは、OSのライセンス費用が必要な関係上、Linuxを採用している同価格帯のレンタルサーバーに比べて、基本性能が劣る傾向にあります。
特にコストダウンしやすいディスク容量にしわ寄せが来る事が多いため、必要十分のディスク容量が確保されているか確認しておく必要があります。
Windows Serverに対応したおすすめのレンタルサーバーを比較!
Windows Serverに対応したレンタルサーバーを簡単な特徴と一緒に紹介します。
設定できる項目が制限された仮想デスクトップトップサービスもありますが、IIS・ASP.NETを自由に設定することを想定し、VPSを中心にピックアップしました。
さくらのVPS for Windows Server
プラン詳細 | W768 | W1G | W2G | W4G | W8G | W16G | |
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費用 | |||||||
初期費用 (+税) | 2,000円 | 3,000円 | 5,000円 | 8,000円 | 14,000円 | 23,000円 | |
月額料金 (+税) | 1,000円 | 2,000円 | 3,500円 | 6,000円 | 11,000円 | 20,000円 | |
無料お試し期間 | 14日間 | ||||||
機能・性能 | |||||||
CPU | 1コア | 2コア | 3コア | 4コア | 6コア | 8コア | |
メモリ | 768MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | |
ディスク容量 | SSD | 30GB | 50GB | 100GB | 150GB | 300GB | 600GB |
1ヶ月の転送量 | 無制限 | ||||||
ネットワーク | 100Mbps (共有) | ||||||
コントロールパネル | ○ | ||||||
開発環境 | |||||||
OS | Windows Server 2019 Datacenter Edition / Windows Server 2016 Datacenter Edition | ||||||
保守・サポート | |||||||
自動バックアップ | × | ||||||
電話サポート | 平日10:00 ~ 18:00 | ||||||
メールサポート | 24時間365日 | ||||||
契約途中のプラン変更 | × | ||||||
その他・制限事項 | |||||||
アダルトサイト | × | ||||||
再販 | ○ |
さくらインターネット株式会社が運営するWindows Server対応のVPSです。
全プランSSDを利用することができ、リモートデスクトップ SAL、Office SAL 2016にも対応しています。また、台数無制限でローカルネットワークを構築することも可能です。
さくらのサービスだけあって、初めてVPSを借りるような初心者にもおすすめです。
Winserver VPS
プラン詳細 | HDD19-1G | HDD19-2G | HDD19-4G | HDD19-8G | HDD19-16G | |
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費用 | ||||||
初期費用 (+税) | 1,000円 | 3,000円 | 6,500円 | 12,000円 | 19,000円 | |
月額料金 (+税) | 1,550円 ~ | 2,900円 ~ | 5,050円 ~ | 8,000円 ~ | 15,800円 ~ |
|
無料お試し期間 | × | |||||
機能・性能 | ||||||
CPU | 4コア | 5コア | 6コア | 8コア | 10コア | |
メモリ | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | |
ディスク容量 | 70GB | 200GB | 500GB | 800GB | 1TB | |
1ヶ月の転送量 | 無制限 | |||||
ネットワーク | 未公表 | |||||
コントロールパネル | リモートデスクトップ | |||||
開発環境 | ||||||
OS | Windows Server 2019 / 2016 / 2012 R2 | |||||
保守・サポート | ||||||
自動バックアップ | × | |||||
電話サポート | 平日9:00〜12:00 / 13:00~17:00 | |||||
メールサポート | 土日祝日以外 | |||||
契約途中のプラン変更 | ○ | |||||
その他・制限事項 | ||||||
再販 | ○ |
プラン詳細 | SSD19-1G | SSD19-2G | SSD19-4G | SSD19-8G | SSD19-16G | |
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費用 | ||||||
初期費用 (+税) | 1,500円 | 3,000円 | 6,500円 | 12,000円 | 19,000円 | |
月額料金 (+税) | 1,800円 ~ | 3,200円 ~ | 5,400円 ~ | 9,500円 ~ | 17,600円 ~ | |
機能・性能 | ||||||
メモリ | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | |
ディスク容量 | SSD | 70GB | 100GB | 200GB | 300GB | 500GB |
アシストアップ株式会社が提供するWindows専門のホスティングサービスです。
HDDのプランに加えSSDのプランも用意されています。
WinserverはWindows Server専門のレンタルサーバー会社で共有サーバーからVPS、専用サーバーまでを揃えており、比較的安価な料金で利用することができます。
他社に先駆けて、最新のWindow Server 2019を利用することができるなど、意欲的に環境のアップデートに取り組んでいる点が魅力的です。
なかでも、Winserver VPSではメモリ完全保証を謳っており、サーバー1台あたりのメモリ容量を制限・調整しています。そのため、VPSながら他ユーザーの影響を受けにくい快適かつ安定した環境でサービスを運用することができます。
ConoHa for Windows Server
プラン詳細 | WIN1GB | WIN2GB | WIN4GB | WIN8GB | WIN16GB | WIN32GB | WIN64GB | |
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費用 | ||||||||
初期費用 (+税) | 0円 | |||||||
月額料金 (+税) | 1,800円 | 3,200円 | 5,900円 | 10,500円 | 19,500円 | 48,000円 | 89,000円 | |
無料お試し期間 | なし | |||||||
機能・性能 | ||||||||
CPU | 2コア | 3コア | 4コア | 6コア | 8コア | 12コア | 24コア | |
メモリ | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | |
ディスク容量 | SSD | 50GB | ||||||
1ヶ月の転送量 | 無制限 | |||||||
ネットワーク | 100Mbps (共有) | |||||||
コントロールパネル | ○ | |||||||
開発環境 | ||||||||
OS | Windows Server 2019 Datacenter Edition / Windows Server 2016 Datacenter Edition | |||||||
保守・サポート | ||||||||
自動バックアップ | ○ | |||||||
電話サポート | 平日10:00~18:00 | |||||||
メールサポート | 24時間365日 | |||||||
契約途中のプラン変更 | ○ | |||||||
その他・制限事項 | ||||||||
アダルトサイト | × | |||||||
再販 | ○ |
お名前.comで知られるGMOインターネット株式会社が提供するVPSです。初期費用が無料で最低利用期間がないほか、電話サポート、自動バックアップにも対応しています。
最低利用期間がないため月の途中でも解約することができ、少しWindows環境を試してみたいという場合にもおすすめです。