LiteSpeed採用しました!
レンタルサーバーの情報を集めているときに、このような言葉を目にしたことはありませんか?
LitetSpeedは、Apache HTTP ServerやNginxといったWebサーバーソフトウェアの一種で、処理速度の速さから近年人気が高まりつつあります。
レンタルサーバー各社もこの動きに反応しており、これまで大きなシェアを占めていたApache HTTP Serverからの乗り換え先としてLiteSpeedを採用するサービスが増えてきました。
この記事では、LightSpeedの特徴や他のWebサーバーソフトウェアに対する優位性をまとめるとともに、mixhost、JETBOYなどLiteSpeedにいち早く対応したレンタルサーバーをいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
第4の選択肢として登場したLiteSpeed
LiteSpeedは、Apache HTTP ServerやMicroSoft IIS、Nginxなどに次ぐ第4のWebサーバーソフトウェアです。有償のエンタープライズ版の他にOpenLiteSpeedという無料のオープンソース版も利用できるため、個人利用・商用利用を問わず急速に人気を伸ばしてきています。
Webサーバーソフトウェアといえば、これまでApache HTTP Serverというソフトウェアが定番で、大規模な商用サイトから自宅に設置された個人用サーバーまで、幅広く利用されてきました。単にApacheと略されることもあり、どこかで聞いたことがあるという方も多いかと思います。
Apache HTTP Serverは機能が豊富で、長い歴史と実績もありますが、複数のクライアントからの同時アクセスに弱いという大きな弱点があります。これは、C10K(クライアント1万台)問題として知られており、Apache HTTP Serverから移行する動機のひとつになっています。
LiteSpeedは、Apache HTTP Serverの完全上位互換ともいわれており、これまでの課題を解決しつつ、高い親和性を持つことに成功しています。
軽量・高速!LiteSpeedが誇る4つの優位性
LiteSpeedの大きな魅力として軽量・高速、新規技術を積極的に取り込んでいる点があります。
WordPressを意識した専用キャッシュ、Googleが開発した次世代プロトコルQUICに対応しているなど、優れた技術はいくつもありますが、特に優位性のある特徴として以下の4つがあります。
超軽量で最速スピード
LiteSpeedは、従来のWebサーバーソフトウェアと比べて圧倒的に軽量・高速とされています。
LiteSpeed Technologies公式サイトが発表しているPHPのベンチマーク結果では、Apache HTTP Serverに比べて3倍以上スコアが高い上、近年シェアを伸ばしているNginxを超えるスコアが出ており、サーバー性能を考慮する際の参考になります。
また、静的コンテンツの処理速度も、Apache HTTP Serverに比べてHTTPで最大8.5倍、HTTPで5.5倍と十分高速です。
なお、LiteSpeedはLSPHPという専用のPHPをサポートしており、PHPのベンチマークではこれを使用した結果となっています。
HTTP/2標準サポート
従来のレンタルサーバーでは「HTTP/1.1」というプロトコルで通信していましたが、クライアントとサーバー間のリクエスト、レスポンスを1つずつ処理するためサイトなどの表示が遅いという欠点がありました。
「HTTP/2 (Hypertext Transfer Protocol version 2)」は、クライアントとサーバー間の複数のリクエスト、レスポンスを並列処理することで通信効率を上げて、パフォーマンスを改善しています。
「HTTP/2」の並列処理の実現に寄与しているのが、「ストリームの多重化」という技術です。「HTTP/2」ではクライアントとサーバー間の接続線上に「ストリーム」という双方向かつ仮想的なパイプラインを複数作り、それぞれの「ストリーム」上でリクエストやレスポンスを処理する仕組みになっています。
参考
以下のウェブサイトで「HTTP/2」の読み込みを体験できます。
HTTP/2CDN demo
また、「HTTP/2」とあわせてGoogleが開発した「QUIC(Quick UDP Internet Connections)」と呼ばれる次世代のプロトコルにも対応しています。日本国内でQUICに対応したレンタルサーバーはまだ少ないですが、さらなるページ表示速度の高速化ということで注目していきたい技術です。
Apache HTTP Serverとの完全互換
レンタルサーバーを借り換えたり追加契約する場合、以前のサーバーで利用していた設定を引き続き使用できるか?といったことを検討したことがあるかもしれません。
LiteSpeedは新しいWebサーバーソフトウェアでありながら、Apache HTTP Serverとの互換性を維持しており、設定ファイルや各種モジュール類は、すべて以前の状態のまま引き継いで使用することができます。
ご存知の方も多いと思いますが、Apache HTTP Serverでは、自身を制御するファイルとして「.htaccess」という設定ファイルを使用しています。
ポイント
通常Apache HTTP Serverの制御は、「httpd.conf」という設定ファイルに基づいて行われています。
「httpd.conf」はApache HTTP Server全体の制御を行っているため、複数人と1台の物理サーバーを分け合う共有型レンタルサーバーでは、自由に書き換えることができません。
この課題を解決するため、「httpd.conf」の設定を部分的に上書きすることができる「.htaccess」と呼ばれる設定ファイルが用意されています。「.htaccess」ファイルを自分が借りている領域に設置することで、自身の用途・目的に合った設定を自由に行うことができます。
Apache HTTP Serverとの完全互換性があると、このようなサーバー設定を引き継ぐことができるので、手軽にサーバーを借り換えることができます。
また、Apache HTTP Serverで覚えたカスタマイズ方法がそのままLiteSpeedでも通用するため、学習コストが少なく済むという利点もあります。
LiteSpeed CacheでWordPressを高速化
LiteSpeed CacheはLiteSpeed専用で利用できるWordPress用のキャッシュ機能です。
高速かつ高性能なキャッシュ機能で、導入する前と比較すると数十倍から数百倍程度の高速化が実現できます。また、キャッシュによりサーバーの負荷も低くなるため、アクセス集中時のさらなる安定性向上も狙えます。
なお、LiteSpeed CacheはWordPress上でプラグインとして動作するため、かなり詳細にチューニングすることができます。設定によっては、ページが正しく表示されなくなったり、レイアウトが崩れる場合もありますので有効化する場合は注意してください。
LiteSpeed対応の最新サーバーをピックアップ
LiteSpeedは比較的新しい技術のため、採用しているサーバーはまだまだ少数です。
国内でLiteSpeedに対応しているサーバーをいくつかピップアックしましたので、サーバーを比較、検討する際の参考にしてください。
mixhost
mixhostは、すべてのプランでSSDをストレージに採用している先進のクラウド型レンタルサーバーです。2016年6月にサービス提供と運用実績は浅いですが、LiteSpeedの採用に加え、国内で初めてQUICを採用するなど、新しい技術を積極的に取り込んでいます。
国内最大級のバックボーンに10Gbpsで直結できることからパフォーマンスに優れ、サーバーへの侵入の検知や防御行うAI搭載のWAFやIPS/IDS、14日間の遠隔バックアップを標準搭載するなど、LiteSpeedを抜きにしてもおすすめできる最有力サーバーといえます。
なお、クラウド型のメリットであるリソースの増減にも対応しています。プランのアップグレードだけでなく、ダウングレードにも対応していますので、アクセス数にあわせた柔軟な運営を考えている場合にもおすすめです。
JETBOY
JETBOYは、共有レンタルサーバーの性質を残しつつクラウド機能を活用できるレンタルサーバーです。
mixhostと同様にここ数年で運用開始した新しいレンタルサーバーで、サービス内容もmixhostと似ています。
SSDの容量は小さいですが、月額290円から使えるなどmixhostより少しお手軽に利用できます。また、クラウド機能の利点として途中でスケールアップ(プラン変更)にも対応しています。
料金が安い一方で、ディスク容量が小さい点、スケールダウンに対応していない点はマイナスポイントです。
また、初期費用も無料ではないため、借りる際はこの点も注意してください。
ラクサバ
激安サーバーとして有名なラクサバは、月額460円から使えるSSDプランでLiteSpeedを採用しています。
価格と引き換えにディスク容量が少なく、独自SSLなどのセキュリティオプションにもほとんど対応していません。
一方で、自動バックアップを標準でサポートしているなど、初心者向けの機能は揃っているため、コストを抑えて個人で使うような用途では十分に活躍できます。
この記事のポイントをまとめます
今回の記事のポイントは、以下の4つです。
- LiteSpeedは、Apache HTTP ServerやNginxなどに次ぐ第4のWebサーバーソフトウェアで、近年人気が高まりつつありま
- 「HTTP/2」を採用することで、「HTTP/1.1」より通信効率を上げて、パフォーマンスの改善を図っています。
- Apache HTTP Serverとの完全互換により、サーバー借り換え時の作業・学習コストを大幅に短縮できます
- LiteSpeed CacheでWordPressをさらに高速化できます
上記のポイントをしっかりと把握して、より快適なレンタルサーバーを選びましょう。