初心者向けの低コストなレンタルサーバーとしてよく話題に挙がるのが、GMOペパボ社のロリポップ!とネットオウル社のスターサーバーです。
スターサーバーのライトプランは少し前までミニバードという名前で運営されており、ロリポップ!と料金設定やサーバー構成、サポート体制が良く似ていたため、ライバル関係と言われていました。
本記事では、一新されたスターサーバーとロリポップ!を改めて3つの観点で検証し、初心者の方におすすめできるのはどちらなのかを明らかにしたいと思います。
機能の違い
WordPressにも対応したもっとも使いやすいライトプランを一例にロリポップ!とスターサーバーを一覧表にまとめてみました。
項目名 | 小項目 | ロリポップ!ライトプラン | スターサーバー |
---|---|---|---|
初期費用(税込) | 1,620円 | ||
利用料金(税込) | 3ヶ月一括支払 | 324円 (/月) | |
6ヶ月以上一括支払 | 270円 (/月) | ||
無料お試し期間 | 10日間 | 14日間 | |
ディスク容量 | 50GB | ||
データ転送量 | 転送量超過による追加課金なし | 1800GB (/月) / 60GB (/日) | 150GB (/月) / 5GB (/日) |
データベース | MySQL5 | 1個 | 1個 |
マルチドメイン | 50個 | 50個 | |
サブドメイン | 300個 | 1000個 | |
メールアカウント | 無制限 | 500個 | |
ウェブメール | あり | ||
アンチウイルス / スパムフィルター | あり | ||
FTPアカウント | 1個 | 2個 | |
自動バックアップ | オプション (月額 324円~) | なし | |
プログラム環境 | 独自CGI / PHP / Perl / Ruby / Python | 独自CGI / PHP / Perl / Ruby / Python / SSI | |
共用SSL / 専用SSL | あり / オプション | ||
WebDAV | あり | なし | |
簡単インストール | baserCMS, WordPress, EC-CUBE | WordPress 日本語版、EC-CUBE、PukiWiki | |
ユーザーサポート | メール / チャット (24時間365日 / 平日, 土日) |
メール (24時間365日体制) 「質問・回答が可能なQ&A掲示板」あり |
データ転送量に大きな差!
上記表を見るとすぐ分かるかと思いますが、データ転送量に大きな差があります。
ロリポップ!ライトプランでは1日のデータ転送量が60GBと非常に大きいのに対し、スターサーバーのライトプランでは5GBと10分の1以下になっています。
データ転送量が大きいほど、多くのアクセスが集まるようなパワーサイトの運営に向きますので、まとめサイトやポータルサイトを作るならロリポップ!の方がおすすめです。
※どちらのレンタルサーバーも転送量超過による追加課金はありませんので、データ転送量が規定をオーバーしても金銭的なデメリットはありません
MySQLデータベースの数は同じ
MySQLデータベースの数はロリポップ!、スターサーバー共にライトプランでは1個しか利用できません。
旧ミニバードの頃はMySQLデーターベースを5個まで利用することが出来たため、WordPressなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使ったサイトを運営するのにおすすめでしたが、スターサーバーになったことでこの利点は失われました。
その他の機能もロリポップ!が少し有利
メールアカウントに関して「500個と無制限」の違いがありますが、ウェブサイトの運営にはほぼ関係ありません。
また、ロリポップ!ライトプランではWebDAV機能が標準搭載されています。ディスク容量が50GBもあるので、ウェブサイトの運営に直接関係のないデータも置いて、オンラインストレージとして利用したいようであれば便利に感じるかも知れません。
快適さ・パフォーマンスの違い
公開されているサーバー性能、ネットワークの性能は以下の通りです。
ロリポップ! | スターサーバー | |
---|---|---|
CPU | 非公開 | Xeon E5-2640 v4 (2.4GHz 20コア) x2 |
メモリ | 非公開 | 96GB |
ディスク構成 | RAID1(またはRAID10) | SSD RAID1(またはRAID10) |
回線速度 | 1000Mbps | 非公開 |
スターサーバーは全プランでSSDを標準採用しています。ロリポップ!はHDDを使っていますので、ディスクアクセスの性能面ではスターサーバーが有利です。
また、スターサーバーはクラウド型を採用しており、それに合わせてミニバードからCPU、メモリなどもグレードアップしています。
ただし、基本的には低額な共用サーバーですので、サーバーの割り当て先によって、あたりはずれがあることは覚悟しておく必要があります。
また、インターネット上の口コミを見ると、「ロリポップ!の下位プランは重いし遅い」との情報が目立ちます。
WordPressにプラグインを沢山いれるなど、重いサイトを作るようであればスターサーバーの方が有利です。
マニュアル・サポート体制の違い
レンタルサーバーを初めて借りるような方は、マニュアルの充実度やサポート体制が気になるかと思います。
まず、マニュアルについてはどちらも充実しており、つまづきそうなところは一通り解説されています。また、どちらも有名なレンタルサーバーのため、インターネットで検索すればほとんどの問題は自己解決出来ます。
どちらも電話サポートはありませんが、メールサポートは24時間365日体制です。
Q&A掲示板
ミニバードでは、ユーザー同士で質問・回答を行うためのQ&A掲示板が用意されています。
サポートから直接回答を貰えるわけではありませんが、ユーザー間での質問・回答の流れはそれなりに機能しているため、万が一分からない事があった場合に役立ちます。
チャット形式
ロリポップ!では、公式サポートに対してチャット形式でリアルタイムに質問を投げる事が出来ます。
利用できる時間帯は限られていますが、平日・休日を問わずリアルタイムでサポートしてもらえるのは大きなメリットと言えます。
まとめ
ロリポップ!とスターサーバーのライトプランを「機能」、「快適さ・パフォーマンス」、「マニュアル・サポート体制」の違いで比較してきましたがまとめると、
- 規模の大きなサイトを目指すなら、ロリポップ!
- パフォーマンスを重視するなら、スターサーバー
を選べば間違いなさそうです。
また、どちらのレンタルサーバーも無料お試し期間がありますので、本契約をする前に両方試して見ることをおすすめします。